1974-'75 Renew the Spirit of Rotary
地区ガバナー 佐藤裕治
President ROTARY INTERNATIONAL William R. Robbins
◆ “ロータリーの精神を奮い起こせ”
ロビンズRI会長は、このテーマについて次のように解説している。「ロータリーの力は、ロータリアン一人一人が他人のために尽くすという奉仕の理想に自らを献げるところから生まれてくるのであります。これがロータリーの精神であります。
もしすべてのロータリアンが一人残らず、至る所でロータリーの精神のために一層身を献げ、善いこと、正しいことを守るために尽くすことを誓い、よりよい世界を造るために自分にできる限りのことを、まず自ら先んじて実行するならば、ロータリーは末永く世界にいまだかつてなかったほどの強大な勢力の一つとなることができるのであります」
この年度はロータリー創立70年を迎える年で、ロータリー70年の歴史と成果に対する敬意と、さらに偉大なるべき将来に対する祝意と決意を表したものです。
今年度のテーマを実践するために、自動車に例えてみます。
車には4つの車輪とエンジンがありますが3つの車輪は、国際奉仕、職業奉仕、社会奉仕です。あとの1つの車輪は青少年と共に働くこと、すなわち地域の青少年活動への参加、インターアクト・クラブ、ローターアクト・クラブの結成とそれへの協力等のプログラムです。そしてそのロータリーの車を力強く動かすためには高性能の大きなエンジンが必要です。その強力なエンジンこそはロータリアンです。性能を高くするためには人造り即ち既存のロータリアンの質の向上を計ると共に、質の良いロータリアンの増強を期していくべきです。そのためにはクラブの会員増強と新設クラブの結成推進が必要です。そしてそのハンドルを握るのは、会長以下の理事役員であり、ガバナーはGood Starter(始動ボタン)です。
◆ 重点目標
1. 青少年と共に働く
インターアクト・クラブ、ローターアクト・クラブの結成と強力を重点目標の1つに取り上げたが、皆様方の熱意によりインターアクト・クラブ1、ローターアクト・クラブ4、の結成をみたことは大きな成果である。
2、会員増強と拡大
ロータリーの奉仕活動のエンジン部分であるロータリアンの増強拡大についてお願いをした。その結果会員増強はいま一つであったものの、拡大については3クラブが創立された。皆様方のご協力に心から感謝したい。
3、ロータリー財団寄付
ロータリー財団寄付について強力にお願いをしてきた結果、ポール・ハリス・フェロー125名、年度内に1,000%達成地区になった。
◆ ガバナー就任のご挨拶
わたしが出席しました国際協議会等においては、カーターさん(当時のRI会長)はロータリー創立70年をもってロータリーの始まりの終り(The end of the beginning)と呼ぼうではないかといわれ、ロータリー70年の成果に敬意を表し云々と、70周年を感謝と激励の合言葉としてとりあげておられました。
日本のロータリアンとしては、本年度が70周年であることに思いを至さねばならないと思います。
◆ ロータリー創立70周年を迎えて
70年前のその日、すなわち2月23日は一日一日と近づいております。この時お互いに奉仕の理想と実践の道を更に掘り下げることは申すまでもなく必要であります。
ポール・ハリスとその友人3名が寒さを忘れてシカゴのユニティ・ビルに集まったあの23日の夜、「俺達はお互いにこのようにしようでないか」と息をはずませて世直しへの挑戦について語り尽くすと共に、翌日からの行動を取り急いで練っておったことでありましょう。
シカゴに燃え上がったロータリーの焔は強く永く米国内はおろか世界に広がり、その15年後には東京に燃え移り東京RCの誕生をみるに至ったのであります。
ポール・ハリスの名著は、『This Rotarian Age』となっていますが、その書名の由来は「現代はヴィクトリア時代からロータリーの時代に移った」との英国の評論家チェスタートンの風刺的言葉をそのままポール・ハリスが引用され書名を敢えて This Rotarian Age とされたのであります。それほど、ロータリーの評価は当時既に高かったといえましょう。米山梅吉先生がこの書の和訳に当り題名を「ロータリーの思想と友愛」とされましたのは、本書の内容がロータリー創立後の30年を顧みるとともに、将来あるべきロータリーの姿を説かれたものと解されたからであります。
その後約40年を経て今日、ロータリーは151の国と地理的地域において光芒も輝かしく一大勢力となっており、またすばらしい成果をおさめております。しかし現代のロータリアンの課題は、このロータリーの発展に目をみはるのみでなく、明日からのロータリーに取り組まねばなりません。「ロータリー精神を振るい起こそう。我々が成長をやめる時死への道がはじまる」とロビンズ会長の激励に耳を傾け、クラブとしてもロータリアンとしてもその持ち味を発揮して、ロータリーの伸展に寄与することこそこの記念日にこたえる所以であります。
◆ ロイヤル・スマイル ロータリー・スマイル
英国エリザベス女王とエジンバラ公ご夫妻が国賓として過ごされた5月の6日間、共通して強調されていたのは女王の微笑「ロイヤル・スマイル」についてであった。女王の新聞記事を読んでいるうちに、ロータリー・スマイル、この言葉を連想するのであった。
ロイヤル・スマイルとロータリー・スマイル、いずれも世俗によくみる単なるスマイルではなく、洗練または実践によってもたらされたという点では相通ずるものがあるように思えてならない。
◆ 任務を終るに当って
(1)思いがけない出来事について
パストガバナー野崎、小田両先生の葬儀に任期中続いて参弔したことは哀悼の極みであった。しかし昨年8月ロビンズRI会長夫妻を、同11月中旬スチュアートRI事務総長夫妻を地区として京都において迎えたことは、またとない喜びであった。一方、昨年10月末健康上の都合によって辞任の大倉GNの後任として直ちに千GNの就任をみたのはありがたいことであった。
(2)ロータリーの活動状況について
地区をあげての努力によってロータリー70周年にふさわしい成果が樹立された。
その第1は地区年次大会についてである。結果として上首尾を称えられたのはうれしい限りであるが、狂乱物価に挑戦しての企画と実行に当った当時を回想する時、ホストの武生RCの苦労と熱意に特に敬意を表してやまない。
次にクラブ例会出席率が地区平均で97.10%、ロータリー財団では既に1,000%地区かつ会員一人当り本年度寄付額64ドル31セントに達している。この出席率と財団寄付はいずれも日本のみならず世界における優秀地区として高く評価されると思う。
そのほか、三国、福井東、桜井の3新RC、鯖江、彦根、舞鶴東の3RACの誕生したこと、第676地区よりのGSEの受け入れ計画が成功裡に終始したこと、世界社会奉仕として韓国の慈行会に対し地区あげての援助を得られたこと、等々どれだけ感謝を申し上げても足らないと思う。
◆◆ ガバナーの横顔
誠実ニコニコ顔の佐藤君
山口玄洋
1961年に福井クラブがホストになり地区年次大会が開催されました。その時、会員の夫人方が参会者のお出迎えをすることになり、その責任者が佐藤さんでした。どんな早朝からでも駅頭に来られ、参会者にご挨拶されておられましたので、夫人達から何と真面目な方でしょう、ともっぱらの評判でした。
誠実一路を貫いてこられた佐藤さんですが、一方いつもニコニコとしておられ、新入会員にも進んで声をかけられる心優しき人でもあります。しかし仕事となりますと人一倍責任感が強く、ガバナーを受ける様にお話があった時も再三固辞されました。やっと重い腰をお上げになった時、私は思わず「何でもお手伝いします」と言ってしまったのです。地区幹事を引き受けられた方々は、皆その人柄にひかれて自発的に申し出た人達です。
現在、福井銀行会長として、福井経済同友会或いは繊維業界等、経済界の重鎮として活躍されているのみならず、特に請われて精薄者施設「かすみケ丘学園」の園長としてロータリーの奉仕、その実践にも努めておられます。しかも多忙な中にも時々俳句の一つもひねっておられる様です。
「植木市 杖にて指して 値をきめる」(裕治)