1976-'77 "Service" I Belive in Rotary
地区ガバナー 
足立義雄
President ROTARY INTERNATIONAL Robert A. Manchester II


 “「奉仕」ロータリーを私は信奉する”
 RI会長として私は次の信念をもっていることを申し上げます。
  (イ)各ロータリアンはみんな国際ロータリーのプログラムについて十分な知識を持ち、身をもってこれを遂行しなければならない。
  (ロ)国際ロータリーは全会員の一人一人に対して「奉仕の4部門による奉仕」と「すべてのロータリアンの友好関係」とを求めている。
  (ハ)各ロータリアンはそれぞれ自分の職業や職務において最高の道徳的、倫理的な模範を常に身をもって示さなければならない。そして、
  (ニ)ロータリーは人間のすべてが健全な、尊厳な、自由の精神を確保できるように、この世界の人々が1つの目的に結ばれることを至上命令としている。
 私はこの信念に一身を捧げております。

 ガバナー方針
 ロバート・A・マンチェスターII RI会長はターゲットは特に示さないと言われました。会長のメッセージは「"奉仕"ロータリーを私は信奉する」、更には「アイビリーブ イン ユウ」即ち「私はロータリアンの貴方を信頼します」とも言われたのであります。
 さてガバナーとしてのターゲットはRI会長と同様に持っていないが、ただ信念としてロータリーは人間相互の感謝のあらわれであると思っています。そしてその中に生まれた「奉仕」とはすべての人間の心の通い合い、そして感謝の交流であります。この感謝の気持で行う奉仕は犠牲というものがなく、犠牲を払って奉仕するとか、奉仕には犠牲が存在すると言うようなことは違っていると思います。
 これらが私のロータリアンとして、またガバナーとしての信念であります。ただ2~3の方針をお願い申し上げれば、下記のごとき具体的なものがあります。
  (イ)ロータリアンの増強はロータリーのエネルギーの源泉であり、会員増強は大いに進めていただきたい。
  (ロ)職業奉仕部門では、ロータリー・クラブ設立の原点であった会員同志の職業を通じての取引及び利用を奨励していただきたいと思います。これはまた会員同士の友情と信頼の結び目にもなります。

 国際協議会と国際大会に出席して
 ボカ・ラトーンでの国際協議会は毎朝8時半集合、9時より開始、17時まで続き、夜も寝るのは22時以前は絶対ありません。本会議はロータリー・ソングより始まり、最後は必ず左右の人と手を組み"Smile everyone smile"を合唱して左右の人と固い握手をかわします。心の底からFellowshipの暖かさを感じました。
 本会議は始終イムバッサイ会長とマンチェスターII世次期会長の連携でスムーズな進行がなされていました。そのあとグループ討論は別室において、台湾、韓国を加えて日本語グループが2組に分れて、橋本・青山両PG及び李理事の3人がリーダーをそれぞれ分担され、19にわたる課目について指導を受けました。この1週間すべての邪魔も煩わしさもなくロータリーに専心して取り組み、その真髄を体で覚えたのであります。
 ニューオルリンズの大会ですが、会場のルイジアナスーパードームの収容能力は8万人とも10万人とも言われている大会場であります。
 当大会の登録人員13,935名で、16歳以下のゲストを加えて14,554名でありました。第1日はスタンドも満員であり、偶然自分のクラブの津田・高田正副会長を始め当地区の方々とお目にかかれて大変嬉しかった事を覚えています。
 この巨大な会場にも拘わらず、整然とした運営と澎湃とした盛り上がりを見せたのは、偏にRI本部並びにホストクラブの周到な準備の賜物であります。

 ロータリー創立72周年を記念して
 ロータリーも初めは少数のメンバーで会員同士の友情と相互扶助の単純な形態から出発し、メンバーも増えクラブ数も増加し、国内より国際的なロータリーとなり、奉仕も最初のクラブの奉仕の範囲から社会奉仕、国際奉仕、青少年奉仕へとその及ぶ範囲も拡大され、ロータリーの理想も時代と共に向上・昇華されてきたのであります。
 それだけに昔の単純な時代に比しわかり難い点も多くなって、新入りロータリアンや非ロータリアンには不可解と思われる部分も多々できているようであります。特に職業奉仕は難解との声が高い。昔のように、洋服屋のショーレーさんの商売が繁盛する、従ってショーレーさんは益々いいものを安く奉仕するというふうに、なごやかな会員同士の取引では職業奉仕のあるべき姿が歴然としていたのであります。
 営利をクラブ内に持ち込む事はタブーとの意見もあるが、河野PGの職業奉仕とは「右に算盤、左に論語」、小西PGは「自ら利するに先立ち他に益せん事を願う」、絹川PGは「売って喜び買って喜ぶ取引を」、また早坂PGの職業奉仕は「日頃歩む道、果てしなく続く道」と言われた。いずれも誠に至言であり金言であります。
 クラブ奉仕は友愛の花園であり、人づくりの道場であります。社会奉仕は、特定の人だけでなく誰にも喜ばれる大勢の人に捧げる愛情の手ではないでしょうか。国際奉仕は世界平和の「かなめ」であり、各民族各国民の均しからざるを憂うるものと思います。
 ロータリーの原点は善意と奉仕にあります。すべて他人の幸不幸を自分の責任においてとらえようとする道徳的に高い境地にあります。それを具体的に立案し計画し実施することこそロータリアンの特権であり、義務でもあると存じます。

 会員増強について
 会員増強は公式訪問において最も強くお願いしたいものの1つであります。ところで今年度上半期の実績は昨年度に比しあまり芳しからぬ成績であります。
 勿論私は量ばかりの増強を強調するものではありません。現に当地区は出席率が97.58%と、恐らく世界一と思います。また財団その他の奉仕についても他に優るとも劣るとは思いませんが、相続すべき継続会員が途切れることは、ロータリー活動やその運営に重大な支障をきたします。
 今年度もまだ期間的に余裕が残っています。何とぞRCの皆様には増強を立派にはたされ、次年度に笑顔で引き継ぐことができるようご尽力を心よりお願い申しあげます。

 おわかれの挨拶
 地区委員、地区幹事の皆様また各クラブ会長幹事の皆様にはこの1年間、不敏なガバナーゆえに大層ご厄介をおかけいたしました。お蔭をもちまして51回の公式訪問を初め、30回に及ぶ各種会合もすべて予定どおり滞りなく完了できましたことは誠に幸いでした。。
 元来私は話し下手で、むしろスピーチ・ノイローゼ気味であります。そこで例会では、国際協議会での扮装で同じネームカードをつけてSing Everyone Singを歌って私の肌で感じたものをそのまま披露しました。これは公式訪問での思いがけない貴重な収穫となりました。嬉しかったことを3つほど拾い上げます。
 第1番目は武生府中RC、高島RCと2つのRCの誕生であります。これによって会員が増強し前年比170名増となりましました。
 第2番目はロータリー財団寄付本年度目標の地区1,500%と累計寄付額100万ドル達成の二大目標の完遂であります。また、地区内RCがすべて1,500%以上ということは誠に立派で、今般の世界大会でも世界最高と発表され、当地区最大の栄誉でありました。
 第3番目は地区大会の成功であります。参加人員2,654名という大会記録を樹立し、議事、エキスカーション等々万事怠りなく無事完了し、来賓の皆様からの各種賞賛の言葉を賜わりました。
 これ偏にホスト、コホストクラブの皆様の1年に及ぶ周到な準備とロータリーの奉仕に徹した御協力の賜物と万謝にたえません。

ガバナーのプロフィール
家族ぐるみで奉仕に徹する
戸塚 栄

 足立氏は明治37年、兵庫県朝来郡山東町に生まれ、大正14年に名古屋高商を卒業し同年旭コンクリート工業(株)に入社した。
 当時コンクリート製品業は黎明期にあり、その創業の苦難は一方ならず、会社の浮き沈みにかかわる問題が多発した。しかし同氏はその対応を誤らず会社経営を万全ならしめ初期の目的であった上場会社として成長せしめ、今日の隆盛を見た。その公平かつ円満な人格により、夙に業界の指導者として尊敬を受け、昭和47年全国組織である、全国コンクリート製品協会会長に選任されている。
 同氏の処世のモットーは「悔いなき人生」であります。すなわちあらゆる事に全力を投入し遂行する処世観であります。
 また若年より仏教に帰依し、禅翁義堅の法名を受けられています。また能楽は堪能にして稔子夫人と共に宝生流教師嘱託であり、さらに夫人の幸流小鼓で共演される一調べは夫唱婦随の典型と大方の羨望を受けられています。また稔子夫人は地元民生委員として奉仕活動に専心され、時にはRCと連絡をとり、夫妻ともどもの社会奉仕に従事され、家族ぐるみの社会奉仕と称しても過言でないと思います。
 足立ガバナーのロータリー歴は、京都西RCのチャーターメンバーとして18年間皆出席であり、クラブでは委員長、理事、会長を務め、更に地区大会のSAAモデレーターを歴任した。