1977-'78 Serve to Unite Mankind
地区ガバナー 
山口善造
President ROTARY INTERNATIONAL W. Jack Davis


 “全人類を結びつけるために奉仕せよ”
 デービス会長は今年度ターゲットについて、次のようにコメントしている。
 人間は誰でも尊厳と価値とを身に備えている。それゆえ我々が人類同胞に対する奉仕の理想に応えるにあたっては、我々の思想と考え方、計画と活動をより豊かにし、発展拡大しようではありませんか。万人のために健康と、尊厳と、考え方の自由とを確保すべく行動しようではありませんか。

 年間の基本方針
 本年度は1961年以来17年目で、日本では第2回目の国際大会が東京で開催されることに決定しているので、クラブの運営指導に対するRI会長の指示された方針を遵守すると共に、東京大会のPRを機会あるごとにして、地区内会員の大会参加を図り、この大会参加そのものが、正にRI会長のテーマの実践に外ならないことを信じ、懸命の努力を払う所存である。

 地区番号の変更
 本年度より当地区番号は第265地区と変更された。

 年間の重要事項
 (1)ボカ・ラトーンの「東京の一夜」
  国際協議会開催中、例年「タレントの夕べ」がある。日本はこれに参加せず、「東京の一夜」という日本だけの夕べが特別番組として組まれた。次の国際大会が東京で開催されるので、各国の参加を勧誘する意味のRIの配慮があった。全日本GNの「酒樽御輿の渡御」、GN夫人の舞踊「サクラ」、日本人出席者全員の「三拍三回の手締式」などが演出された。その前にメイン・イベントとして私共夫婦だけの「鶴亀の舞」が披露された。
 (2)RI会長夫妻を京都に迎える
 私はRI会長が東京大会開催まで、東京を離れることがないという一般雰囲気の中で、是非とも当地区へのご来訪を切望した。種々の困難を乗り越えて、京都駅頭でRI会長夫妻ご一行をお迎え出来ましたのは、5月10日でした。
 歓迎昼食会(京都ホテル)は京都RCの例会場で私及び渉外委員会(委員長 小谷隆一氏)との主催で、RI会長夫妻を主賓として、RI役員及び家族64名、いままで類のない歓迎昼食会を、療養中の本庄会長に代って、西村直前会長司会の下に、見事な例会運営が行なわれた。当地区からPG、GN及び地区クラブ会員が参加され、総勢415名の大例会となった。

 東京大会(第69回国際大会)
 東京大会は東京代々木競技場第一体育館で開催され参加国95カ国、参加人員は40,155名が集い、かつてない大きな大会になりました。参加者多数のため、6月14日の大会開会式は同一プログラムを2回挙行することとなり、当地区が後の部に組み入れられました。余興番組の「四季の日本」が華々しく演出され万場の拍手を浴びました。
 翌15日より本会義が4日間続き、RI会長をはじめ、RI役員及び来賓の講演や報告その他があり、特別番組としてパネル形式の「アジアの声」、「世界社会奉仕シンポジウム」の2つが採り上げられました。日本から向笠広次、斎木亀治郎両PGが参加され、また元財団奨学生の清水長一、野口韶子両氏の記念講演もありました。
 16日の本会義ではロータリー財団報告の中で、当265地区の財団寄付が地区2,000%レベルに達成したことについて、広い舞台上で、私が地区を代表して、ロータリー財団委員長のW・C・カーター氏より異例の表彰を受けました。私の受けたこの名誉は、偏に歴代ガバナー、会員諸兄のご努力の賜であり、就中足立直前ガバナー年度の1,500%達成、及びその前年度の千PG年度の1,200%達成のご努力と関係各位の熱意の集結であり、ただ深謝あるのみです。

 東京大会の後で
 渉外委員会及び京都市内11クラブのご協力で、東京大会のあと京都奈良方面へ来訪する海外ロータリアンのために、「京都地区歓迎委員会」(委員長 絹川清氏)が発足し、その下に次の3委員会ができました。
 ・ホームホスピタリティ委員会(委員長 山脇浩氏)
  5月20日、47家庭に120名を招き午後4時から8時まで夕食を共にした。その他50名の海外ロータリアンは姉妹クラブの関係で、地区内RCの各家庭でそれぞれ招待されている。
 ・インフォメーション委員会(委員長 堀内寛氏)
  5月10日〜22日で、京都駅の新幹線ロビーでインフォメーション・センターを設置し、市内各クラブが交替で当った。
 ・キョウト・ナイト委員会(委員長 宮崎幸一氏)
  5月22日京都ホテルで午後6時から海外ロータリーアン242名を招いた。これも京都市内11クラブがスポンサーとなって下さり、会場には総計650名が集まり、意義深い一夜をもつことができた。宮崎委員長に多謝あるのみ。

 その他重要事項
 (1)次年度会長幹事グループ集会の早期開催
  RIの指示で、地区協議会に先だって開催するように要請があり、3月19日に大津市にて開催し、会長グループは千PGに、幹事グループは絹川PGに研究リーダーをお願いした。
 (2)ロータリー情報研究会(DRII)
  1975年度に始まったこの研究会は、本年度限り中止と決定した。本年度は10月29日大津市で開催、出席義務者の中に、今回初めて「2年以内の新入会員」(516名)が含まれ、775名の大集会になった。全体を28のチームに分けて、次々に発言を求めるカンセラー上野豊PG(横浜)の見事な指導ぶりが、参加者に深い感銘を与えられたので、ガバナーとしても多いに面目をほどこし、上野カンセラーに深謝した次第です。
 (3)地区年次大会(彦根)
  「城下町彦根で語ろう 奉仕の理想」をスローガンに、4月13日の会長幹事懇談会に引き続き、14, 15の両日春日和に恵まれて、彦根市民会館においてRI会長代理佐々木秀一氏夫妻、武村滋賀県知事、井伊彦根市長等はじめ多数の来賓及び招待者をお迎えし、地区内外の74RCから全員家族合わせて、2,140名が出席し華々しく開催され、全プログラムを無事終了した。
 なかでも、佐々木会長代理の報告の中に織り込まれた「訪中所感」は印象深いものがあった。又本年度は部門別協議会に代えて、パネル討論会とし、RI会長のテーマに沿った「世界を結ぶ人類の望」と題した討論会が、千PGをリーダーとし、小谷、松岡、中西諸氏のベテランパネリストによって、楽しく進められ、大好評であった。その他、種々の重要企画案行事が多々あったが、割愛する。
 それにつけても、本大会をホストされた彦根RCの大会関係役員、会長はじめ会員家族の皆様方の一年有余の涙ぐましい、ご奉仕に対して深く感謝を捧げます。なお大会終了後、引き続いて、新年度内に彦根南RCを結成して戴きましたことは、私にとって驚きと喜びが一緒になりました。改めて心からの感謝と敬意を表す次第です。

 1年を顧みて
 本年度は東京で国際大会が開催される年に当りましたので、この1年は一層緊張の年でした。前半は公式訪問の他、ICGFや地区ロータリー情報研究会などありましたが、殊に公式訪問では、「一期一会の思い」「ロータリー定石論」(会員増強、出席向上、財団貢献)を持って望み、全出席会員に、デービス会長の温かい血の流れを伝えるべく握手をお願いして、当地区ロータリアンの方々3,000名以上とより一層の親しさを増させて戴いたことは感激の至りでありました。御礼申し上げます。
 なおまた、末筆ながら、挨拶の一言を申し述べることをお許し下さい。 
 大津RCの皆さんに頂いたガバナーに対する温かいご後援に厚く御礼申し上げます。またベテランの幹事の方々から、行き届いたガバナー補佐に預かり感謝にたえません。就中、浜中幹事長には、筆舌に尽くせぬご厚情を頂き、ガバナーの職務を全うせしめるお力添えを賜りしことを感激至極で、ここに有難くお礼申し上げます。

ガバナーのプロフィール
生粋のロータリアン
中村義一

 山口さんは、昭和25年創立された大津RC生みの親である。ロータリーについての高い見識と豊かな経験はクラブの至宝である。この度この第一人者が、ガバナーに就任されることは、誠に喜ばしいことである。
 山口さんは商家に生まれ、独学で英仏語を専攻され、若くして仏国に留学、金銀糸の製法を研究すること2年有余、貴重な「ラメ」事業創始の基礎を得て帰国し、その事業化に成功、研究を進め「創耀技」を発明して数々の美術工芸品の開発を行い、斯界の注目を集めた。
 昭和28年パリで開催された国際大会前後3カ月間滞在して毎週各地のRCの例会に出席し、殊に仏国では、例会において「日本の現状とロータリー活動」「日本盆石芸術」等についての講演や実演を行い、多大の感銘を与えた。
 山口さんは、生来温厚篤実の性格であるが、一度手をつけたことは、徹底的にやり遂げねば止まぬ強い意思と気力を持った方で、外柔内剛の人であるとも評することができよう。将棋は木村十四世名人に師事し、五段の免状を受け、細川流盆石では、松栖斎湖石の称号を受け、長唄芸能では舞台演奏も辞さない、という多才な人である。