1984-'85 Discover a New World of Service
地区ガバナー 羽根 實
President ROTARY INTERNATIONAL Carlos Canseco Gonzales
◆ “見つけよう 奉仕の新生面”
ロータリアンは、限りなき平和への道の開拓者であります。未来を目指す現実的な理想家であるロータリアンは、成功を収めた専門職業人であり、また、実業の代表者であって、絶えず新しい奉仕の道を探し続けています。
そこで私は皆さんに要請します。
見つけよう奉仕の新生面
あなたのクラブにおいて
あなたの職業において
あなたの地域社会において
私達の国際社会において
ほかならぬあなたによって道は開けるのです。
◆ ガバナー・アドレス
最近の統計によりますと、ロータリーについては地域社会で100人中2人しかご存じないという結果が出ていたように思います。
私が思いますのに、日本ではロータリーは縦割りのロータリーですから……地域社会にはあまり定着しかねているところに原因があるのではないかと思います。
われわれロータリアンとしては、地域社会に根を下ろしたクラブ活動ができているかどうか、地域社会に正当に認識されているかどうか、ロータリーのため諸行事の形式偏重は改めているかどうか、ロータリアンはエリート意識過剰になっていないか、こういうことをいまの時点で反省する必要があると思います。
あなたのクラブのイメージを調べるために、世論という鏡を最近のぞいたことがありますか?
各ロータリー・クラブには一般社会が抱くイメージがあります。あなたのクラブのイメージは、かすんでいたり見えなかったりしませんか?
その場合、クラブは一般社会から認められ、受け入れられるべき沢山のものを失っているのです。地域社会に最も効果的に奉仕し、奉仕を志向する人を新たに会員に迎えるためには、一般社会から認められ、受け入れられることが必要ではないでしょうか。
ロータリアンは今こそ人づくりという問題に全力を上げて取り組むべきではないでしょうか。
ロータリアンとして先ずもって立派な人間であること、そして社会的に模範となるべきだと思います。
「汝の欲するところは人に施せ。汝の欲せざるところは人に施すな。相手の身になってものを考えよ。思いやりの心をもって人に接せよ。」等の格言を胸に秘めて皆さんと互いに手を取り合って皆さん方の友情と熱意を信じ、堂々と前進しようではありませんか。
RIの管理原則は、加盟RCの大幅な自治であります(手続要覧)。
個性あふれるクラブをつくりましょう。
◆ 年間基本方針と年間重点事項
(1)ロータリーの簡素化を図るため多くの委員会を縮小し合併いたしました。米山奨学会を独立部門といたしました。
(2)ロータリーは人づくりが目的ですから、新たに地区ロータリー情報委員会の設置と分区代理の新しい制度を導入いたしました。
(3)分区代理の設置で、公式訪問等極めてスムーズにいき、IGFその他の会合も開催していただき、ガバナーと区分代理の呼吸も合って、大きな成果を上げていただきました。
(4)地区大会におきましても、アンケートの結果、地区大会は1日にすべきだと答えたのは72%もあり、会長・幹事の出席義務者と希望者は土曜日の午後から、一般の会員は日曜日1日にしていただいて結構と改革いたしました。
(5)エクステンションにつきましては、ボカ・ラトーンでは何も約束しませんでしたが、クラブ数は70まで加増していただきました。
(6)平城ロータリー・クラブと大津中央ロータリー・クラブが誕生いたしました。
◆ 国際ロータリー世界大会
第76回国際ロータリー世界大会が、米国のカンサス・シティ、ムニシパル・オーディトリアム本会議場で大会委員会のマイク・パトリック委員長の開会宣言をもって始められた。
参加者は、頭文字A-Zまでの方達を2つに分けて本会義が開催された。
ホストクラブ主催の前夜祭は、「ジャズとダンスと食道楽」世界中のメンバーが集まる楽しい楽しいひとときでした。
◆ アジア大会
1984年11月13日-17日 於フィリピン・マニラ、国際コンベンション・センター
記念講演 マリア・テレサ
主要参加国 日本・フィリピン・韓国・バーレン・バングラデシュ・グアム・インド・ブルネイ・香港・インドネシア・マカオ・マレーシア・パキスタン・シンガポール・台湾・アラブ首長国連邦
◆ 国際ロータリー第265地区ローターアクト第12回地区大会
1985年5月18日(土)-19(日)
於橿原神宮会館
ホスト 橿原RAC
実行委員長 喜多三朗(橿原RAC)
ガバナー羽根實、ガバナーノミニー増田房二をはじめ地区内外より多数のロータリアン、そして400名近いローターアクトの仲間を迎え、盛大かつ有意義に開催されました。
「万葉の里から明日へのメッセージ」を大会テーマにローターアクト活動一年の総決算として、各クラブが独自の事業報告、参加会員全員が自分達で創り上げる企画にチャレンジしました。
自分達の地区大会という情熱と深いご理解と共に、アクターの輪の中に熱く溶け込んでいただきました参加ロータリアンの姿に「橿原」の地は燃える森となりました。
1984-'85年 第265地区インターアクト年次大会
1985年9月16日
於東寺 洛南会館
ホスト 洛南高校IAC
地区インターアクト委員長 野々内泰一(京都南RC)
羽根ガバナーはじめ多数の来賓をお迎えして、地区内5クラブ、インターアクター54名、ロータリアン70名の参加を得て、盛大に開催された。
PG平沢興先生の「インターアクト・クラブに望む」の貴重な講演を拝聴、アトラクションとして、洛南高校吹奏部50名による勇壮な演奏は、大会気分を大いに盛り上げた。
スローガン「インターアクトをとおして、見つけよう 奉仕の新しい広がりを」をテーマに、国際理解、地域奉仕、クラブ活動の三部門での分科会は、活発な討論をつくし、有意義な大会の幕を閉じた。
◆ 3-Hプログラムの推進
「スターベーション(飢餓)・ランチ」 地区世界奉仕委員会で提唱。
昭和59年12月中のいずれかの例会で、地区内各クラブでの昼食代を切り詰めて、そのお金で飢餓に苦しむアフリカの人々に食料を送ろうという運動。
外務省が始めた「スターベーション・ランチ」を、当地区の世界社会奉仕の事業として取り上げ、実施しました。
昭和60年2月9日、地区合同委員会の席上、毎日新聞社事業部を通じて、ユニセフ(国連児童基金)のアフリカ救護活動に協力のため、520万円を寄付した。
◆◆ガバナーのプロフィル
大杉の如き人
密門光範
「おーい」と植林されたばかりの山の尾根より大声で呼ぶ。見渡す限り、幹も枝葉も力強く茂り立つ夏木立の谷より「おーい」と木霊がかえる。枝と葉を洩れてくる日筋もさだか薫風も肌にさわやか
羽根さんはこんな吉野で林業を営む旧家のご当主でした。今年43年の年輪を重ねた橿原RCの大先輩チャーターメンバーでもある。
私がクラブ幹事をさせていただいた時のこと。出席免除の資格に達せられた羽根さんにその旨をお知らせすると「私の意志で辞退します。理由はありません」と笑顔で答えられ、死に至る42年間、皆勤を続けられました。
語らずして実行の人、一度語れば真実をついて寸鉄人を刺す剛直の士でもある。これは京大法科卒の法規に明るい緻密な思考と、精力的な研究家の故かその言やよし、人の心を洗う。
私が不注意で足を捻挫して例会を休んだ日に突然拙宅へご来宅下された。四角ばった見舞の言葉もなく世間話をされるのみ、お帰りの玄関先で「それはよかった」と呵々大笑された童顔が心にしみる。
「私はガバナーになっても一介のロータリアンにすぎない。皆さんに教えていただく気持ちです」と申される虚飾を嫌う情熱の人でありました。
ご母堂と令夫人と3人で吉野の大きな家に暮らされており、里帰りされるご子息との家族マージャンを楽しんでおられらたよきおやじ。(平成10年1月21日記)