1994-'95 Be a Friend
地区ガバナー 
二橋貞雄
President ROTARY INTERNATIONAL Bill Huntley


 “友達になろう”
 ビル・ハントレーRI会長のテーマは"Be a Friend"「友達になろう」であります。
 お互い一人一人が友達でありたい。思いやりのある、心を開いた誠実な友達でありたいと願う心は、実はそれを裏返すと現実は一人一人が孤独だということです。ロータリーはその孤独から生まれました。1905年シカゴでポール・ハリスの孤独がロータリーを生んだのであります。寂しい心、乾いた心を癒してくれるのは、今も昔も変りありません。友達です。友達として相手を思いやる心でロータリーの諸活動を展開して欲しいという、願いの籠ったテーマと解釈して下さい。

 RIの方針
 ハントレーRI会長は、現在RIの緊急かつ最優先課題は、過去の多種多様なプログラムの整理であり、実行しなければならぬものはプログラムではなく、地域のニーズに対応することだと言明され、奉仕活動の方向を「地域社会」に向けるべきだと、その方針を打ち出しております。
 そして、今年度はプログラムを「会員増強」と「ポリオ・プラス」の2つに絞り込みました。そしてその他の地域社会に対する諸々の奉仕活動のプログラムの立案は、全て地区クラブがそれぞれの地域社会のニーズをくみ上げて行なって欲しい、つまり地区クラブの「自主性」に任せ、RIは「地域社会に対する思いやりチーム」を年度早々に発足させて、プログラムの立案を支援するとの方針を打ち出しました

 地区の重点事業
 第2650地区としては、RIが絞り込んだ2大プログラムを中心に、その推進のため「情報教育」の徹底と「思いやりの心」の育成という2つのテーマを加えて地区運営をすることと致しました。
 @ 会員増強とクラブ拡大
  会員増強は、1995年6月30日現在、対前年+24名、0.36%と、何とか面目を保ったものの、大津唐橋RC32名('95年5月23日承認)の貴重な1クラブ拡大の結果の数値であり、バブル崩壊後の構造的不況進行下の深刻さを思い知らされました。奥田英行会長をはじめ大津東RC会員各位の並々ならぬ御努力、慎重なご配慮、ベテランの三岡嘉和増強、萩山竝司拡大両委員長のご活躍に感謝致します。
 A ポリオ・プラス
  1994年3月、国際協議会会場で財団管理委員会委員の中島治一郎氏(2640D.PG)から、第2650地区は過去のキャリアを生かして、今年度はWCS方式で、ポリオ・プラス事業を実施して欲しい、と強い要請を受け、財団コーディネイター平岡正巳氏(2640D.PG)のきめ細かなご指導を得て、後述のカンボジアのポリオ・プラス事業を実施致しました。
 B ロータリー情報
  奉仕の前提として、ロータリーの価値観や行動理念、行動基準等は如何にあるべきか、未来永劫変わらざるもの、変えて行かねばならぬものは何か等々、ロータリーの理念、あるべき姿を求め、昨年度に引き続いて「ロータリー情報マニュアル」の「プログラム編」を発行いたしました。
 C 思いやりの心 
  ハントレーRI会長はCommunity Concern、地域社会との関わり、思いやりを強調されております。私どもも、奉仕の場を地域社会に求め、地域社会と友達になる、相手の立場に立つ心、つまり「思いやりの心」の意義、尊さを学ぶのがロータリーの場と認識しております。心根のやさしいロータリアンの育成を計る場を地域社会に求めて欲しいと訴えました。

 ロータリー情報の徹底
 ロータリー情報教育の重要性を常に認識しておられた本田茂直前ガバナーは、地区で規定審議と情報を兼ねた委員会であったのを、1993-'94年度より分離され、情報を独立の委員会にされました。そして時の初代宮崎幸一委員長の下、基本的な組織運営等を22項目に分類し解説した「ロータリー情報マニュアル(基本編)」が編纂されました。
 今年度は、岡村吾郎委員長の下、行う事業や活動のプログラムの4奉仕と青少年活動を中心に「ロータリー情報マニュアル(プログラム編)」を続編として刊行されました。
 両マニュアル共、地区内はもとより、他地区からもテキストとして送付の要請もあり、新入会員向けのロータリー情報テキストとして最適のマニュアルだと好評でした。

 ポリオ・プラス計画の実施
 第2650地区にあっては、年度当初より小西清茂委員長以下WCS委員会挙げて、RIが提唱するポリオ・プラス推進を地区WCS、世界社会奉仕事業として取り組みました。
 即ち、地区として10万ドルを拠出し、RI財団の30万ドルと合算した40万ドル(4000万円)を、今年度WHO(世界保健管理機構)のアジア支局(マニラ)がカンボジアで実施するポリオ・プラス推進の、ポリオ・ワクチン購入資金に充当する計画に協力することと致しました。
 本事業推進のため、WCS委員会は4月の地区協議会で事業計画と予算の承認を得、5月下旬、WHOマニラ支局へ出向き、事前協議、カンボジア政府よりの書類による援助要請という一連の手続きを経て、8月1日再度マニラに出向き条約の調印を行ない、11月下旬カンボジアに赴き、事前調査を行ないました。
 そして1995年2月11日のNIDS(一斉投与日)前後の2月9日-15日の1週間、杉山PGご夫妻、羽根PGを含む26名の使節団を編成し、現地へ赴き、ポリオ・プラス計画推進にオブザーバー出席をして参りました。
 ロータリー創立100周年目の2005年までに、全世界からポリオを追放しようという壮大な計画の一翼を、第2650地区が地区挙げて担っているということが、一般メディア『ザ・ロータリアン』『ロータリーの友』等内外マスコミを通して報じられ、素晴しい広報活動もでき、4月5日ヒュー・アーチャーRI財団管理委員長より感謝状の授与という栄誉が得られたことを、無上の光栄に思っております。

 阪神大震災への対応
 1995年1月17日未明、淡路島の北淡町周辺を震源とする震度7の大震災が発生しました。死者は6,000名になんなんとし、建物及び構築物の被害総額は10兆円に迫り、大正12年の関東大震災を上廻る大震災でありました。
 地区としては翌1月18日に対策本部を設置し、地区内クラブに義援金の応募を呼び掛け、1月31日取り敢えず集まった2,400万円を持参、交通復旧なった関西空港経由のフェリーで、重森三良地区副幹事長と淡路島の洲本市の第2680地区ガバナー事務所に計馬忠ガバナーを見舞いました。
 その外地区ロータリアン、RCの現地での炊き出しや緊急物資の搬送等、ボランティア活動は数知れず、義援金の総額は、第2650地区経由の第2680地区送付額は69,148,650円、第2650地区内クラブから第2680地区内クラブへ直接送付額は29,865,000円、第2650地区内クラブ及び会員の地元自治体、マスコミ、赤十字等を経由し被災地へ送られた額は55,286,913円で、しめて154,300,563円に上ったことが、対策本部の調査で判明致しました。
 この義援金の中には、RI財団のDDF(地区財団資金)2万ドルを活用した同額補助金の申請が認められ4万ドルとなり、更に災害援助金2万ドルが上積みされた計6万ドルがふくまれており、地区内RC会員の友情、懐の深さもさることながら、RI財団管理委員会のご理解、ご厚意に改めて感謝の意を表します。

 1年を省みて
 第2650地区の運営は、地区幹事及び副幹事で、地区委員会、事業、会合の全てに対応できる厚い人材群を、主としてガバナー選出クラブから出し、更に他の地区の分区代理に当たる地区運営について、かなりの程度認識を持っている地区委員長が存在しているため、他のほとんどの地区が採用している分区代理制を採らなくても、ガバナーがガバナビリティを発揮できる仕組になっております。
 しかし、1998-'99年度公式訪問スケジュールは91クラブ、1日に2クラブの公式訪問をこなす超過密スケジュールで、宮崎ガバナーの献身の上に成立っています。
 この現況を解決するには、地区の再編成が考えられますが、会員の過半数の承認が得られるような再編成案がなかなか出て来ない現状では、ガバナーの負担を軽くする方法として、1997-'98年度に発効した地区リーダシッププランの「ガバナー補佐」の制度を第2650地区に思いきって導入できないものか? と真剣に考えざるを得ません。
 ガバナー補佐は担当区域のクラブを少なくても年4回以上訪問し、公式訪問時のクラブ協議会のガバナー代理を務めることが出来ます。従って合同公式訪問が可能になり、多忙なガバナーの負担の軽減に繋がります。ガバナー補佐は、前向きに捉えていかねばならぬ問題だと思います。

ガバナーのプロフィール
果断、実行の人
奥村晃一郎

 琵琶湖の東、八日市市の市街地のど真ん中に、どっしりした二橋商店のビルがある。二橋君は、芯の強いしっかりした3代目当主である。
 本業の建材販売のほか、コンクリート製造工場、太陽スポーツ温泉などを経営し、多年商工会議所会頭を努め、地域のリーダーとして活躍している。
 父君は八日市市RCの創立に尽力され、初代から3回も会長を努めていただき、彼は創立30周年度の会長として記念諸行事を立派に果した。八日市RC第一の功労ファミリーである。父君は32年、彼は24年間連続皆出席で、まさに面目躍如たるものである。
 こう見ると、いかにも堅物のように感じるが、若いころからかなりの酒豪で、酔えば談論風発、カラオケのマイクを持つこともあり、なかなか愉快である。
 新年度の準備にアイディアいっぱいの彼をみると、優れた才腕、力量に感銘することしきりである。